社長失格
社長失格という本を読みました。
- 作者: 板倉雄一郎
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 1998/11/21
- メディア: 単行本
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概要
本書は、1991年に「HotCafe」事業によりニュービジネス大賞を受賞したベンチャー企業ハイパーネット社の社長・板倉雄一郎氏が、その受賞からわずか6年後の1997年に37億円もの負債を抱えて自己破産するまでの軌跡が、当事者の目線で詳細に描かれているノンフィクション小説です。
Hotcafeとは何か?
ブラウザに広告枠をつけることで無料でネット接続を可能にするシステムです。
当時はISP事業を行っていたアスキーと提携してサービスを提供していたらしく、「アスキーインターネットフリーウェイ」という名前で知られていたようです。
なぜ倒産したのか?
ハイパーネット社は、Hotcafeをアメリカ全土に展開するための事業資金として、銀行から多額の短期融資を受けていました。
しかし、アメリカは愚か、日本でも当初の想定通りに利用者が伸びませんでした。
そんなときに、国から銀行の自己資本比率を上げるように通告が出て、
ハイパーネット社に融資していた各銀行は手のひらを返したように、返済を迫りました。
(自己資本比率を上げるためには融資を引き上げてしまうのが一番てっとり早いので)
銀行の融資を当てにして事業拡大と会社の運営を行っていたハイパーネットとしては、
銀行の融資を引き上げられることは死活問題でした。
そして、結局、板倉社長の奔走の甲斐もなく不渡りの手形を出してしまい、一気に倒産へと追い込まれたようです。
本書から学んだこと
ベンチャーは銀行から金を借りるな
銀行にはベンチャーを育てようという意思も、能力も、仕組みも全く欠如しているようです。
(少なくとも1990年台時点では)
急激な事業拡大は大きなリスクを伴う
当たり前のことですが。
「Hotcafe」の日本での成功もおぼつかない状態で、
アメリカでの事業展開を急いだのはいかがなものかと思いました。